どちらも痛かった。

今週のお題「一番古い記憶」。

 

割とすぐに思い出せる同時期の記憶が2つある。

どちらが先だったかはハッキリと思い出せないが、どちらも幼稚園児という年頃だった。

 

まず1つ目は、「自分の爪にホチキスを刺した」という記憶。

 

夕方、テレビでアンパンマンが放映されていた時、机の上にホチキスが置いてあった。

そして、何を思ったのか右手で持ち、少し離れたところに座っていた家族に背を向け、自分の左手の中指の爪に刺した。

 

まず、使い方を知っていたということは、使い道も知っていて、「危ない道具」という知識はあったと思う。

そして、「家族に背を向けた」という罪悪感もあった。

 

次に2つ目。

これは家ではなく、「通っていた幼稚園の滑り台から落ちた」という記憶。

 

周りに友達はいなく、一人だったと思う。

いや、チャイムなどが鳴り、友達はみんな室内に戻っていく様子を見て、まだ滑り台の上にいた僕は焦り、なぜか飛び降りたのかも知れない。

とにかく、滑り台の一番上のところから、落ちた。

 

二十歳を過ぎた頃、なんとなくその通っていた幼稚園の前を通ってみると、その滑り台は大人の背丈になった僕からも「いま、この上から落ちたら痛いだろうなあ」という高さだった。

多分、3〜4mくらいだと思う。

 

 

ところで、幼稚園児が「ホチキスで爪を刺した」り、「滑り台から落ちた」りしたら、かなり大事になったはずなのに、大人になって思い出話として話したとき、家族は誰一人としてそんなことがあったなんて知らないと言っている。

今でもホチキスを持つと冷や汗が出るし、高所恐怖症で歩道橋を渡るのすら怖いのは、それらのトラウマからだと思っている。

 

そんな「誰も知らない一番古い記憶」だが、確かに僕は経験した。